昭和が香る”サツキのお弁当”!!
さて、今回の「ジブリ飯」は映画『となりのトトロ』よりサツキが作ったいたお弁当を再現してみました。
朝早くから病気で入院している母親の代わりに父親と、妹のメイ、そして自分が学校に持っていく分のお弁当を作るサツキ。小学生とは思えない手際の良さには脱帽しました。小学生時分に初めてこの作品を観た際には幼心にも自分もこのくらい親の手伝いができるようにならなくてはと思ったものです。
しかし、昨今ではこんな場面すら幼児虐待だ、なんて声も上がるらしいですね。なんだか残念です…。なぜ、並外れてしっかりしている子、というようには受け入れられないのでしょうね。そもそも僕は完全に平成世代ですが、ここまでちゃんとは出来ていなかったものの、小学生の頃でもある程度の手伝いは自分から普通にしていましたがねぇ。
まあ、そんなネガティブな話は置いておいて、サツキの料理風景はなかなか心躍るものがあります。昔ながらの竈門で炊かれているお米に七輪で焼かれている魚。そして、使い込まれてそこが焦げ付いた大きな鍋。サツキのお手伝いで魚が焦げないように見張っているメイも可愛らしい場面です。
トトロの舞台となるのは昭和30年代の所沢。昭和30年代という時代背景もあり、お弁当は質素なものですがそれでも色合いにも栄養にも気を配った素敵なお弁当です。こんなお弁当を娘に作ってもらえるなんて父親冥利に尽きるでしょう。
ちなみに何を隠そう僕は所沢の出身なのでこの作品に対する思い入れも人一倍なのです。残念ながら子供の頃にトトロに会うことはできませんでしたけれどね。
それでは、サツキの作ったお弁当に入っている食材がなんなのかを考えていきましょう。
“サツキのお弁当”のメニューを考える!!
では、サツキのお弁当の中身の考察に入ります。考察とは言っても今回はどのおかずも素直に調理されているだけなので、基本的には作中の描写を確認するだけで大体わかるのですが。
まず、サツキは三者三様の大きさのお弁当箱を用意していますが、基本的にはどのお弁当もご飯がいっぱいに敷き詰められています。最も印象の強いのがサツキがその白米の上にまぶしているピンク色の食材ですね。お米の上にかけるピンク色の食材といえば、一つしかありませんね。これは桜でんぶで間違い無いでしょう。
ちなみに桜でんぶというのは白身魚の加工品で、ほぐした魚を酒や砂糖で調味し、乾燥するまで炒めた上で食紅を使って色付けしたものです。この食材は特に昭和っぽさを感じさせますね。とは言っても、実は桜でんぶは江戸時代からあるそうですが。
そして、メイが焦げないように見張っていた魚は大きさや形状からすると、イワシ(めざし)であるかと思われます。お父さんのお弁当には2本入っているんですよね。
そして、一番わかりにくいのは魚の右下に入っている緑色の物体。そして、なんとなく丸いような…というくらいですね、お弁当の盛り付けシーンからわかるのは。では、サツキが料理していた場面を思い出しましょう。
竈門で炊いていたのはお米、七輪で焼いていたのは魚。そうすると、あのお鍋で炊いていたものこそがこの緑色のものです。そうしてよくよく鍋の中身を見てみると緑色の小さなものがたっぷりのお湯で茹でられています。見た感じ確かに丸そうです。少なくとも青菜のようなものではありませんね。
結論としては、これは青えんどう豆(グリンピース)であろうと思われます。そして、ご飯の上に乗せられている赤いものはもちろん梅干しで間違いないでしょう。
それでは、食材が全てわかったところで、”サツキのお弁当”を実際に再現していきましょう。
“サツキのお弁当”の再現レシピ!!
サツキのお弁当
Ingredients
- 白ごはん お弁当箱いっぱい
- 1 尾 めざし
- 適量 桜でんぶ
- 1 個 梅干し
- 適量 グリンピース
“サツキのお弁当”を作った感想
さて、今回はジブリ飯”サツキのお弁当”を再現しました。完成写真がこちら。
まずは何をおいても桜でんぶのピンクが目に楽しいですね。作る前はかなり質素な感じになってしまう気がしていましたが、なかなかどうしてこういうお弁当も良いものですね。
もちろんおかずはお世辞にも贅沢とはいえませんが、質素ながらも桜でんぶのピンクにグリンピースの緑、白米の白に梅干しの赤、そしてめざしのやや青みがかった銀色が非常に良い彩りになっています。しかも、意外にも栄養バランスも考えられている(…ような気がする)組み合わせです。