『耳をすませば』の”おじいさんの鍋焼きうどん”
今回はジブリ映画『耳をすませば』より“おじいさんの鍋焼きうどん”を作ってみました。この料理も「ジブリ飯」の代表格ですね。「ジブリ飯」の話題になれば必ず初めの方に挙げられる料理の一つです。
さて、この”おじいさんの鍋焼きうどん”は、雫が初めて書き上げた小説を聖司のおじいさんに読んでもらった後に登場します。“最初の読者”であるおじいさんが小説を読み終わるまでの間、雫は下のバイオリン部屋で待っているのですが、暖房設備のない寒い部屋で、自分の作品を初めて人に見せるという心細い心境で待っていた雫のためにおじいさんが用意してあげたのが、この鍋焼きうどんです。心も体も温まる優しい一品ですね。
そして、おじいさんが彼女にかけた言葉も素敵でしたね。おじいさんの言葉にはなんだか深みがありますね。“そう 荒々しくて率直で未完成で 聖司のバイオリンのようだ。雫さんの切り出したばかりの原石をしっかり見せてもらいました。よくがんばりましたね あなたはステキです。慌てることはない 時間をかけてしっかり磨いて下さい”このおじいさんの言葉は、個人的には作中トップクラスの名台詞だと思っています。
ちなみに、聖司が初めてバイオリンを作り上げた時は、山盛りのラーメンを作ってあげたのだとか。
“おじいさんの鍋焼きうどん”の具材は何??
さて、ではお決まりの「ジブリ飯」考察です。今回は”おじいさんの鍋焼きうどん”の具材について考えていきます。鍋焼きうどんの具材については、雫とおじいさんが食べる場面でちらりと描かれるのみです。
さて、この鍋焼きうどんですが、具材は以外とシンプルです。鍋焼きうどんの定番とも言える海老の天ぷらも入っていませんね。そもそもおじいさんは雫がこの日に訪れることを知らなかったので、おそらく冷蔵庫の中にあったあり合わせの食材を使って作ったのであろうと思われます。そういった背景を想像するとより一層優しい気持ちになります。
とりあえず確認できる食材は4種類です。半月状の白いものが2つ、星型のオレンジ色のものが2つ、棒状の緑色の塊が2塊、丸い黄色のものが1つ。一般的な鍋焼きうどんの定番具材を考え合わせてみると、半月状の白いもの:かまぼこ、星型のオレンジ:人参、棒状の緑色の塊:青菜、丸い黄色:卵、と言ったところでしょうか。人参を星型に切るあたりやはり素敵ですね。
ちなみに、宮崎駿監督はほうれん草がトッピングされたラーメンがお好きだそうで、今回の青菜もほうれん草を使うことにします。
では、ジブリ映画『耳をすませば』より”おじいさんの鍋焼きうどん”の再現レシピです。
“おじいさんの鍋焼きうどん”再現レシピ
おじいさんの鍋焼きうどん
Equipment
- 一人用土鍋
Ingredients
- 1 玉 うどん
- 2 cup 一番出汁
- 2 束 ほうれん草
- 2 切 人参
- 2 片 かまぼこ
- 1 個 卵
- 2 つかみ 塩 味付けは目安
- 1 大さじ 薄口醤油
Instructions
下準備
- ほうれん草はさっと茹でてから、冷水に取る。その後、水気をしっかりと絞って5cmほどの長さに切っておく。
- かまぼこはやや厚めにして2切れとる。
- 人参は星型に切る。飾り切りということで、一見難しそうではあるが、実は非常に簡単。皮をむいて輪切りにした人参を六角形に整形し、各辺を中央にむけて三角形分切り抜くだけ。
本調理
- 一人用の土鍋を用意して一番出汁を注ぎ、うどんのつゆを作る。味付けは塩と薄口しょうゆ。鍋焼きうどんということで、煮込むので味付けは濃くしすぎないように。
- 沸騰させたつゆにうどんを加え、十分にほぐす。
- かまぼこ2片と星型に切った人参を2切れ加えて、鍋蓋をして中火で15~20分ほど煮込む。ここではやわらかくする必要のある人参と、つゆに旨味が足されるかまぼこのみを入れる。ほうれん草は長時間煮込むと色が悪くなり、また卵は硬くなってしまうので後ほど。
- 人参が柔らかくなったら、一度蓋を開けて卵を割り落とす。再び蓋をし、火力は弱火にして調理する。この際、鍋の中でつゆが沸騰すると卵がきれいに仕上がらないので注意。
- 卵が好みの固さになるまで火が通れば、ほうれん草を加える。ほうれん草は下準備の段階ですでに茹でてあるので、温まれば完成。
Notes