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【ジブリ飯】『耳をすませば』の”おじいさんの鍋焼きうどん”を再現する。

『耳をすませば』の”おじいさんの鍋焼きうどん”とは

“おじいさんの鍋焼きうどん”とは宮﨑駿監督のジブリ映画『耳をすませば』に登場する料理”ジブリ飯”の一つ。”おじいさんの鍋焼きうどん””おじいさんの鍋焼きうどん”とは宮﨑駿監督のジブリ映画『耳をすませば』に登場する料理”ジブリ飯”の一つ。

『耳をすませば』は読書の好きな中学生の少女 月島雫がいくつかの出会いを経て”夢に向かって進む”とはどういうことなのかを知り、成長していく姿を描く物語。足繁く通う父の勤め先の図書館で本を借りる度に必ずと言っていいほど読書カードに書かれている”天沢聖司”という名前に、彼がどんな人物なのか興味を惹かれていく雫。ある日、彼女は不思議な猫に導かれ小さなアンティーク店「地球屋」に訪れる。

作品中では、他のジブリ作品同様に魅力的な”ジブリ飯”が登場する。”おじいさんの鍋焼きうどん”は、同い年で、しかも想い人でもある聖司が、真っ直ぐに自分の夢に向かって進んでいく姿に憧れと共に劣等感を覚える雫が、苦しみ悩みながらも初めての小説を完成させた場面で登場する非常に印象深い料理である。

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“おじいさんの鍋焼きうどん”はどういう料理か

『耳をすませば』の”おじいさんの鍋焼きうどん”は数あるジブリ飯の中でも人気の高いものの一つであり、”ジブリ飯”の話題になれば必ずと言っていいほど名前が挙げられる料理の一つである。

上記でも少し触れたが、”おじいさんの鍋焼きうどん”は、雫が初めて書き上げた小説を聖司のおじいさん(西 司朗)に読んでもらった後に登場しる。最初の読者”である司朗が小説を読み終わるまでの間、雫は階下のバイオリン部屋で待っているのであるが、暖房設備もない寒い部屋で体も冷え切り、また自分の作品を初めて人に見せるという心細い心境で待っていた雫のために司朗が用意してあげたものが、この鍋焼きうどんなのである。まさしく心も体も温まる優しい一品である。

ちなみに、聖司が初めてバイオリンを作り上げた時は、山盛りのラーメンを作ってあげたのだとか…。

『耳をすませば』の鍋焼きうどんのシーン

この場面には”そう 荒々しくて率直で未完成で 聖司のバイオリンのようだ。雫さんの切り出したばかりの原石をしっかり見せてもらいました。よくがんばりましたね あなたはステキです。慌てることはない 時間をかけてしっかり磨いて下さい”という司郎の名台詞も続く。

『耳をすませば』の作中では、他のジブリ飯と同様に 鍋焼きうどんも場面を構成する一要素として自然に見せ(魅せ?)られるだけ。特別 作り方や具材などについての詳細は語られるような”わざとらしい”演出はされていない。それでもなお(それだからこそ?)、画面から溢れ出る”ジブリ飯”の魅力はさすがとしか言いようがないのである。

『耳をすませば』の”おじいさんの鍋焼きうどん”を再現する。

おじいさんの鍋焼きうどんの材料は…??

さて、この”おじいさんの鍋焼きうどん”、鍋焼きうどんとは言ってもいわゆる定番の具材が入っているわけではない。椎茸の甘煮や海老の天ぷら、白葱などの人気の具材も見当たらない。特別贅沢な具材も、ものすごく手の込んだ具材も入らない素朴なものである。しかし、そこに司朗はの温かい優しさが詰まっている。

そもそも司朗は雫が実際に「地球屋」を訪ねてくるまで、彼女がこの日 完成した小説の原稿を持って訪れることを知らない。つまり、”鍋焼きうどん”は冷蔵庫の中にあったあり合わせの食材を使って作られたのだとという事がわかる。

作中の描写から確認できる食材は4種類。半月状の白いものが2つ、星型のオレンジ色のものが2つ、棒状の緑色の塊が2塊、丸い黄色のものが1つ。一般的な鍋焼きうどんの定番具材(かつ日常的に冷蔵庫にありそうな食材)を考え合わせてみると、半月状の白いものは かまぼこ、星型のオレンジのものは 人参、棒状の緑色の塊は青菜、そして丸い黄色のものが卵、と言ったところであろう。

あり合わせの食材を使った何気ない料理ながら、人参を星型に切るあたりの遊び心はやはり良い。ちなみに、宮崎駿監督はほうれん草がトッピングされたラーメンがお好きだそうで、今回の青菜はほうれん草を使うことにしよう。

おじいさんの鍋焼きうどんを作る

『耳をすませば』のおじいさんの鍋焼きうどん。

シンプルな料理ながら、作中の雰囲気、司郎の人柄の温かさを再現するにはにんじんの飾り切りの手順は絶対に譲れない。飾り切りとは言ってもシンプルなものであれば、それほど難しくはない。最も簡単な星型のにんじんの作り方は、人参を5mmほどの厚さに輪切りにしたあと、皮を剥いて縁を切り落として五角形にする。その後それぞれの頂点から切り込みを入れていき、星型に整形していくというもの。

単純に切るだけの作業なので、包丁慣れしていない人でもそれほど苦労せずにできるはず。

人参は飾り切りにする

土鍋に出汁とうどん具材を入れてじっくりと煮込んでいくのであるが、一番神経を使うのは如何にして卵を綺麗に仕上げるかということ。殻から悪いれる際に黄身を潰してしまうのは問題外ながら、他にも気をつけたいことが数点ある。

1つ目は、卵を割り入れるタイミング。特に人参などの食材は火が通りにくいので、タイミングをずらして適当な瞬間を入れないと、卵が好みの火通りになったタイミングで他の食材が十分に火が通っていないなんてこともあり得るのである。

鍋焼きうどんは卵の扱いが重要

2つ目は、卵を入れた後の火加減。中火くらいの火加減で、なるべく水面は静かに沸々と煮立っているような状態に維持するのが良い。あるいは仕上げの直前に割り入れて予熱で火を通すのも良い。仮に、ブクブクと水面が泡立つように沸騰している場合には、卵の白身の部分が凸凹、ぶつぶつの仕上がりになったり、火の入れ過ぎで”す”が入ってしまうなど仕上がりに影響してしまいかねない。

3つ目は、うどんの出汁は澄んだものを使うということ。細かいことだがこちらも仕上がりの見た目に関係する。自分で一番出汁を取る場合には特に問題ない(一番出汁は手順の最後に手拭いなどで濾すものなので)のだが、粉末出汁などを使う場合は水に溶かしても実は意外と溶けずに残ってしまう。そうすると、溶けきれなかった細かい粉末が卵の縁付近に付着し茶色い線のようになるなど見た目が悪くなってしまう。粉末出汁を使う場合は、一度 茶漉しでも使って不純物を取り除くと良いかもしれない。

ほうれん草を乗せて完成

『耳をすませば』の”おじいさんの鍋焼きうどん”を再現した感想

さて、『耳をすませば』の”おじいさんの鍋焼きうどん”を再現した。まずはさすがはアニメーターの方々のデザインしただけあり、彩りのバランスが素晴らしい。作中の描写通りに盛り付けただけですっかり見栄えのする仕上がりとなってしまった。

さて、味に関して…。個人的には鍋焼きうどんというと 大きめの海老天や甘辛い椎茸の煮物などが入っているもの、という認識があった。じっくりと煮込まれて、出汁が染みて柔らかくふわふわと膨らんだ天ぷらの衣、そしてその衣から油が染み出した出汁もコクがあって美味しいのが、鍋焼きうどん。そんな認識だったのだが…

このシンプルな具材の”鍋焼きうどん”もさっぱりとしていてとても美味しい。何より ほうれん草と出汁の相性の良さはこれ以上もない。豪勢な鍋焼きうどんに比べて、手軽に作れる点も非常に良いのではなかろうか。

『耳をすませば』の”おじいさんの鍋焼きうどん”の詳細レシピ。

それでは”おじいさんの鍋焼きうどん”の詳しい再現レシピをまとめておこう。

*詳細レシピは”自由課金”としておりますので無料で見ることができますが、レシピが気に入ればお好きな値段をご支援いいただければ嬉しく思います。

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