“甘やかされたいヒトはいますかぁ?”川本家の伝説のお夜食!
さて『3月のライオン』もまた物語だけでなく、登場する料理からも目が離せない読むだけでお腹が空いてしまう作品です。特に料理上手のあかりさんが作る料理はどれも素朴ながら工夫と面白さが詰まって温かな気持ちになるメニューばかりです。零たちが生きる棋士というストイックな世界の時にぞっとするほど冷たくシリアスなストーリの間にホッと一息つけるような優しさを醸し出していますよね。
さて、今回再現した料理は Chapter.86「新しい年」より川本家伝説の夜食”甘やかしうどん”です。このメニューは高校入試のために勉強をしているひなのために あかりが作ってあげたお夜食でして、なんと元々は かつてあかりたちの母親が生前にあかりのために作ってくれたメニューなのだそうです。“川本家伝説の夜食”として語り継がれているのだそうです。
“甘やかしうどん”と 適度に雑(?)で、家庭的な温かみを感じるネーミングも良い。勉強中にお夜食を作って持ってきてくれるなんて、あかりさんは”理想のお姉ちゃん”だなぁ。いやはや、姉妹仲良きことは良きことかな。
川本家のお家芸??「おいしいもの」×「おいしいもの」!!
さて、ではこの伝説の一品”甘やかしうどん”とは、どのようなものかと言いますと、お揚げか、天ぷらか、という問いかけに”そんなの選べないよ という娘の悩みを癒すために開発された「両方のせ」という暴挙!!”。つまり、“ぷわっぷわに煮込まれたとろける天ぷら”のとなりに“ジュワッとお汁のしみたあま〜いおあげさん”が一緒のせられた鍋焼きうどんなのです。
作中でもひなが言っているように「おいしいもの」の隣に「おいしいもの」を合わせた贅沢うどん。”温泉卵唐揚げカレー”しかり、「おいしいもの」重ねは川本家のお家芸です。もう少し詳しく具材を見てみると…、特大の海老の天ぷらと大判のおあげの他に、かまぼことネギとが入れられていることがわかります。
では川本家の”甘やかしうどん”再現レシピです。
“甘やかしうどん”再現レシピ
川本家の”甘やかしうどん”
Ingredients
- 1 玉 うどん
- 1 尾 海老(大) 中サイズなら2尾使う
- 1/2 枚 薄揚げ 特大サイズ
- 2 片 かまぼこ
- 適量 ねぎ
うどん出汁(*分量は目安)
- 400 ml 一番出汁
- 1 大さじ 薄口醤油
- 2 つまみ 濃口醤油
おあげ(*分量は目安)
- 200 ml 一番出汁
- 2 大さじ 砂糖
- 1 大さじ みりん
- 1 大さじ 濃口醤油
天ぷら衣
- 50 g 小麦粉
- 50 ml 冷水
- 卵 冷水500mlに卵1個
揚げ油
- 適量 サラダ油
- ごま油 サラダ油だけでも良いが
Instructions
下準備
- 冷水500mlに対して卵一つを加え、箸を立ててしっかりと攪拌する。白身が溶けるにつれて表面に泡立つので、泡はきちんと捨てる。泡が残ると食感が悪くなるので注意。*卵は1個以下の量に調整できないので、冷水500mlに卵1個の分量で卵液を作り、必要量のみを粉と合わせる。薄力粉と冷水の比率は1:1。
- 粉は高めの位置からボウルにふるって、空気を含ませておく。粉と同量の卵液を加え、泡立て器でざっくりと混ぜる。ダマが残っているくらいで良い。
- 海老は大きめのものを用意し、殻を外して背わたを取る。さらに腹側に複数の斜めの切り目を入れて、まな板に押し付けるようにして筋を伸ばす。これにより加熱時に海老が丸々のを防ぐ。今回は特大サイズが手に入らなかったので中サイズ2尾で代用。
本調理
- 薄揚げはなるべく大きいものを用意する。鍋に湯を沸かし、薄揚げをさっと浸して油抜きをしておく。油抜きが済めば鍋のお湯は捨て、薄揚げは三角に切る。
- 改めて鍋に出汁を注ぎ、火にかけて一煮立ちさせる。煮立てば薄揚げを投入し、砂糖、濃口醤油、さらにみりん(みりんで甘さの調整も行う)を加える。落としぶたをしてじっくりとコトコトと煮汁がなくなるまで煮詰める。
- 油を170度(衣を数滴落とし、即座に表面に上がってくる程度)ほどに熱し、海老天を揚げる。衣をつけて海老を油の中に落としたら、衣を絡めた箸先で素早くその表面を突くようにして花揚げにする。この際、全体の1割ほどをごま油にすると、香りがたつことに加え、カラッとしたきれいに揚がりやすくなる。
- 土鍋に出汁を入れて火にかけ、沸騰すれば薄口醤油と塩で調味してうどん出汁を作る。おあげを濃く甘辛くしているので、少し味付けを変えてさっぱりと仕上げると良い。
- 煮立ったらうどんを入れて十分にほぐす。さらにエビ天とおあげを入れてから蓋をして海老天の衣が”ぷわっぷわ”になるまで10分ほど煮込む。
- 最後の仕上げにかまぼこ、ネギを散らせば出来上がり。
Notes